先週の記事で一部を紹介した本「シン・二ホン」(AI×データ時代における日本の再生と人材育成)ですが、本の後半部分の多くの頁を割いて紹介されていたのが、著者の安宅和人さんが提唱し活動している「風の谷」構想でした。
このプロジェクトは「都市集中型の未来に対するオルタナティブ(代替)」をテクノロジーを賢く使い倒すことで作り上げていこうという運動論だそうです。
AIなどの最新テクノロジーの第一人者が目指そうとしている理想が「田舎への回帰」だったという驚きと単純に都会の人の多さに少々ウンザリして田舎暮らしの実験を始めた意識低い系の私の考えが図らずも同じだったという事実に興味津々です。
著書の中では田舎の問題は医療、教育環境であることを述べており、解決策として高齢者は基幹となる医療機関や介護施設等の周囲(都市部)に居住を優先し、現役世代は逆に都会の中心から離れた場所へ散らばるような政策(税制など)を提唱しており、共感できます。
私も田舎に住んでみての感想は移動手段、医療体制などの問題で田舎は高齢者には過酷過ぎるという事実で、一方で中高年以下の世代であればネット環境さえ整えれば都会と変わらない文化的な生活は享受できるという事実です。
この「風の谷」の話はコロナ禍以前から提唱されていた運動なので、コロナ禍便乗型ではない事も説得力があります。
しかし、彼らの様な最先端の知識人が”田舎回帰”の様な話を語ると各種利益団体や過激な環境保護団体との繋がりや宗教チックな胡散臭さが出てくるので、多くの人は静観姿勢になってしまいますよね。😓